多読も自分なりの方法で - 本は10冊同時に読め!

「本を10冊同時に読め」というのも、実は他人のノウハウだったりします。


本は10冊同時に読め!―生き方に差がつく「超並列」読書術 本を読まない人はサルである!
成毛 眞

この本で紹介するのは、「庶民」から脱するための読書術である。
(p.4)



成毛さんは「庶民」から脱するために「本を10冊同時に読め」とおっしゃっています。その理由の一つとして以下のようにおっしゃっています。

だが、ビジネスマンの場合、あらゆる本を読んで脳のあらゆる部分を刺激させたほうが、仕事に必要な感性が磨けるのである。
(p.17)


この内容を見たときに、勝間さんのセミナーを受講した感想をブログに書かれていたlouis_c2006 さんの以下の言葉を思い出しました。


勝間和代さん「決算書の暗号を解け!」セミナーに出席しました。 - 東京の素敵な生活 - Yahoo!ブログ

脳みその普段使わない部分が刺激されてちょっと心地悪いです。


普段使っていない脳を使うことは、ちょっと心地良くないと感じるときもあります。しかし、自分の専門とは敢えて違うことを読んだり聞いたり勉強したりして、普段使わない脳を使うことによって、自分という人間を広げることができるのです。


私が35歳にしてマイクロソフトの社長になれたのも、徹底して他の人が送るような生活をせず、他の人と同じような場所に行かず、他の人と同じような本を読まなかったからだ。
(p.6)

この点については、トム・ピーターズが「ブランド人になれ!」で以下のように語っています。

いまは、おかしな時代だ。この点については、みなさん全員がうなづくだろう。だから、みなさんもおかしくならなければ、時代についていけない。
(p.141)

蛸壺の中でじっとしていれば、目は見えなくなり、耳も聞こえなくなる。身体も頭脳も退化する。あなたの人生がどれだけ豊かになるか、どれだけ色彩に富むか、あなたがどれだけカッコよくなれるか、どれだけ時代についていけるかは、外界の刺激や衝撃をどこまで受けるかによって決まってくる。
(p.142)

トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦〈1〉ブランド人になれ!


周りの人と同じように、いつも同じ場所で同じ人としか付き合わないのであれば、自分を成長させることは難しいでしょう。勇気を持って未知の外界に出て、外界の刺激を受けることによって、今までの自分と違った自分になれるのですね。


ネットに出ている情報の正誤性を確認するためには、本で調べるという行為は不可欠である。3冊くらいの本で同じことが書いてあったら、信憑性があると判断してもいいだろう。
(p.26)


これについては、勝間和代さんが「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」でおっしゃっていることと同じですね。

1つのことを知ろうとした場合には、できれば立場の違う人の話や関連書籍をもとに、最低3つの始点から眺める「知の3点測量法」をお薦めします。
(p.80)

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法


読書法といえば本田直之さんですが、本田さんも「レバレッジ・リーディング」で以下のようにおっしゃってます。

一冊のみを読んで、この著者の意見がすべてだと思い込んでしまう危険を避けるために、多読をするのです。
(p.48)

レバレッジ・リーディング


自分だけの人生なのだ。何も自ら自分の可能性を限定してしまうことはないだろう。他人に迷惑さえかけなければ、やりたいことはすべてやってみればいい。
(p.73)


これも、丹羽宇一郎さんが「人は仕事で磨かれる」で同様のことをおっしゃってましたね。

私は声を大にして言いたい。まず一歩を踏み出せ。自分のやりたいことが人に迷惑をかけず法に反してないなら、何でもいいのです。
(p.268)

人は仕事で磨かれる (文春文庫)



ここまで紹介した以外にも色々と真似をしてみたい読書の方法がいろいろありましたが、そんな気持ちを見透かすかのように「はじめに」に書かれた以下の言葉が突き刺さります。

他人のノウハウをマネしているかぎり、その他大勢から抜け出すことなどできない
(p.5)


初めは真似をする必要はあるかもしれません。ただし、それをずっと続けていくことは自分の成長ではなく、他人の後追いにしか過ぎないのです。やはり大事になってくるのは、以前のエントリで紹介した「守・破・離」ではないでしょうか。

「守・破・離」で自分を磨く - 点と点をつなぐためのメモ - connecting the dots

まずは型どおりの真似から入る「守」があり、次に内容を理解した上で創意工夫で従来よりもよい方法を探る型破りの「破」があります。そして、それを一歩進めた形で、理解と経験に基づいてこれまでと全く別のものを自分の力で生み出す「離」があるのです。



まとめると、「本を10冊同時に読め」という理由は、

  • 自分を広げるために脳の普段使わない部分を使うため
  • 他の人とは違う選択をして、自分に刺激を与えるため
  • 一つのことを調べるのにも、3点測量法で見るため

で、そのインプットを単に真似するのではなく、

  • 思い切って自分なりにアウトプットする

ということが重要ということでしょうか。