「俺はもうおるで」 - ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する

単なるコピーだと、オリジナルには絶対に勝てません。


ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する
島田 紳助


「寿司 はせ川」や「OKONOMIYAKI のろ」など、いくつもの飲食店ビジネスを成功させている島田紳助さんが、その秘訣を語った一冊。飲食店ビジネスに限らず、他の分野でも参考になる考え方が満載です。


この本で一番印象的だったのは、この言葉。

「紳助さんに憧れてます。紳助さんみたいになりたいんです」
そういって、弟子入りを志願してくる若い子がいる。
僕はいつもこう言い返す。
「俺はもうおるで」
(p.71)


物事を学ぶときに先駆者の真似をするというのは、有効な方法であることは間違いないでしょう。このことについて岡野雅行さんは「あしたの発想学」で以下のようにおっしゃっています。

どんなに才能豊かな人間でも、何もないところから新しいものをポッと発明するなんてことはありえないんだよね。誰だって、最初は先人の真似、コピーから始まるってわけ。
(p.156)

あしたの発想学 (かに心書)


真似から入る重要性については羽生善治さんも「決断力」の中で、以下のようにおっしゃっています。

初心者が何かを学ぼうとするときは、いきなり大海原に立っても、どこに向かって何をしていいのかわからないものだ。たとえば将棋の場合は、ほかの人の棋譜を並べたり、定跡を覚えるのが一つの勉強方法だ。それは前に通った先駆者の航路だが、真似てみることは大切だ。誰でも最初は真似から始める。
(p.183)

決断力 (角川oneテーマ21)


ただし、単なる真似ではあまり意味がありません。島田紳助さんがおっしゃっているように、コピーはオリジナルには敵わないからです。羽生善治さんはこう続けています。

しかし、丸暗記しようとするのではなく、どうしてその人がその航路をたどったのか、どういう仮定でそこにたどり着いたのか、その仮定を理解することが大切だ。そうした理解に基づいて先駆者の通った航路を何通りも覚える。ある程度レベルが上がると、すでにできている航路から少し離れたところで見て、自分の航路を考えられるようになる。
(p.183)


単なる真似に終わるのではなく、そこに自分の考えを入れていくことが重要なのです。これを島田紳助さんの言葉を借りるとこうなります。

真似をしてもいい。だけど、自分の発想でやれということだ。
(p.71)


まずは真似から初めてみても、オリジナルを超えるくらいの意気込みでいきたいですね。