つなぐための点を増やす多読 - レバレッジ・リーディング
本からのインプットを単なるインプットで終わらせないことが重要です。
レバレッジ・リーディング
本田 直之
- 作者: 本田直之
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2006/12/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 39人 クリック: 528回
- この商品を含むブログ (548件) を見る
今となってはレバレッジシリーズが大ヒットしている本田直之さんの最初のレバレッジ本。私が本を多く読むきっかけとなった本です。
内容も面白そうでしたが、実はジャケ買いな部分もありました。先日の講演会でお話を聞いてわかったのですが、ジャケ買いを狙った表紙だったそうで、モロにそれにはまったことになりますね。
他人の成功体験にレバレッジをかけるのが目的だからです。
(p.61)
ということで、本を読むということは、筆者の成功体験を疑似体験して自分の役に立てることでしょう。体験を語る重要性は以前のエントリで書きましたが、体験を語られる側として「どのように他人の体験を受け取るべきか」を身につける必要があります。
本を読む方法についても色々と書かれていますが、本を読み始める前にすべきことがいくつかあるとおっしゃっています。ここはなかなか実践できていないところなので、あえてピックアップしてみます。
- 本を読む目的を明確化
一冊ごとに、その本を読む「目的」を明確にしておくことです。
(p.98)
本を読む際には、ある問題意識を持っているとインプットの質が変わります。ある仮説を立てて、それを検証するために本を読むという方法もありますね。そこで重要なのは、以前のエントリでも紹介した、加藤昌治さんの「考具」にある「カラーバス」。これを上手く使うと、速読
- 質の高いインプットにつながりますね。
- 制限時間を設ける
時間が無限にあると思うと、余計なところまでも読んでしまい、とうてい数をこなすことができません。
(p.107)
ここで重要なのは、リチャード・コッチの「人生を変える80対20の法則」にある80対20の法則ですね。本田さんは、本の中の重要な20%のうちの80%、つまり全体の16%を理解できればいいとおっしゃっています。
- 全体を俯瞰する
目的を明確化し、制限時間を設定したら、次は本文を読む前に本全体を俯瞰するためにザッと眺めます。
(p.115)
ということで、筆者のプロフィール、まえがき、目次、あとがきなど読むことをオススメしています。小飼弾さんも速読の仕方のエントリで似たようなことをおっしゃっています。
404 Blog Not Found:速読に役立ちそうな5作品とその読み方
1. まず目次をじっくり読む
2. 序章と「おまけの章」をさっと読む
3. 図版(ポンチ絵)をざっと見る。地の文はとりあえず無視する方向で
4. 太字のところだけじっくり読む。
5. 頭から通読する
また、同じエントリの以下の言葉は非常に参考になりますね。
読書は脳に情報をダウンロードすることでは断じてありません。むしろ「デフラグ」や「ガベージコレクション」に近いのです。
最後に、丸谷才一さんの「思考のレッスン」にある以下の言葉を引用しておきたいと思います。
ですから、大事なのは本を読むことではなく、考えること。
(p.177)
本を読むのは手段であり目的ではない。そこを自分の中で無意識にすりかえてしまわないように気をつける必要があります。読書に限らずですが、インプットが目的なのではなく、アウトプットのための手段としてのインプット。そんなことに気をつけながら、読書を楽しんでいきたいと思います。