サービス精神はいつも旺盛に - 頭のいい段取りの技術

仕事の効率を突き詰めるとサービス精神に突き当たります。


頭のいい段取りの技術
藤沢 晃治

頭のいい段取りの技術

頭のいい段取りの技術


私生活の充実のために仕事を効率化しようとした効率マニアになった筆者が、そのテクニックや段取り術を詳細に公開した一冊。

ここで、少し「段取り」の正体が見えてきたようですね。相手の待ち時間を最短にして満足度を最大にする。つまり「サービス精神」なのです。
(p.21)

「段取り」というテーマでも重要になってくるのが、相手のことを考えるということです。全て一人で仕事をしている人ならよいのでしょうが、たいていの場合複数人で仕事をしていることが多いでしょう。そんな時に「人を待たせる仕事」と「人を待たせない仕事」を区別せず、自己中になってしまう人は段取りが悪いということですね。


この本の中で一番目に鱗だったのは文書の書き方の部分とプレゼンの仕方の部分です。

相手が全てを精読しないことを前提とするわけです。
(p.114)

出勤前の朝の五分間で要領よく情報を読み取れる新聞のように、プレゼンでも途中退席者がするような「斜め聞き」の便宜性に配慮することが大切なのです。
(p.130)

確かに、相手が常にこちらに興味があるとは限りません。営業などのシチュエーションでは逆にこちらに対して興味がないことのほうが多いかもしれません。そんな中で臨機応変に聞き手の事情に応えられる準備は周到にすべきということでしょう。言い方は悪いですが、最初から相手に完璧を期待していなければ、それなりの対処が取れるともいえます。


この文書の斜め読みに関しては、荘司雅彦さんの「最短で結果が出る超仕事術」に読み手の立場からの意見が書いてありました。どうやって書類のコア部分を読めばいいかです。

まず 1. 文書をざっと一読して、2. 結論を探し、3. 理由を探す−という手順で進めれば、とりあえず、内容の80% を理解することはできます。
(p.165)

最短で結果が出る超仕事術 (講談社BIZ)


読み手側はこのような意識で文章を読もうとしているのです。つまりこれを知っていれば書き手としてそれに応じた書き方をするというのが「段取り」というサービス精神でしょう。つまり、読み手に理解してもらおうと思えば、まず結論を書き、その後に理由を書く、それを文章の頭に持ってくる。そのように書くことで、読み手に優しい、サービス精神旺盛な文章となるのです。


ここまで考えてみると、段取り力にはサービス精神が必要で、そのためには昨日のエントリで書いた「相手のことをよく知ること」が重要なのです。


常にサービス精神を忘れずに!