相手の欲しいものを提供する - 口コミ伝染病

相手の立場でどれだけ考えることができるか。


口コミ伝染病
神田 昌典

口コミ伝染病―お客がお客を連れてくる実践プログラム

口コミ伝染病―お客がお客を連れてくる実践プログラム


感情マーケティングのカリスマ・マーケッターでもあり、フォトリーディングを日本に広めたことでも有名な神田昌典さんの口コミをつかったマーケティングについての一冊。本田直之さんの「レバレッジ・リーディング」の中でも、読んでおくべきビジネス書20のうちの一つとしてあげられてましたね。
レバレッジ・リーディング

お客に話題にされたければ、話題を提供する。
本書の内容を一言で言えば、この通りだ。
(p.254)

と、あとがきにある通り、口コミによって店の売上げを上げるために、いかに話題づくりを意図的に行うかについて書かれています。


話題にされるようになるのは簡単ではありません。その理由は以下の通りでしょう。

お客が一番関心を持っているのは、自分のこと。あなたのことはどうでもいいのである。
(p.68)


このことは以前のエントリで書いたとおりです。

人はみな自分のことにしか興味がないと言っても言いすぎではないでしょう。


そんなお客様に話題にしてもらうには、いかに自分の店なり商品なり、サービスを相手にとって「自分のこと」と認識してもらえるかどうかではないでしょうか。相手にとって「自分のこと」にしてもらうには、相手が望むものを売る、これが重要なのです。

自分の売りたいものを販売するのではなく、お客が欲しいものを販売する。
これが商いの原点ではないだろうか。
(p.31)


これは、以前のエントリでも書いたとおりですね。

相手を知るという初動に時間をかける - 明日の広告

そう、いままでさんざん「伝えたい相手」と書いてきたが、それは実は送り手本位の発想法。消費者本位にスタンスをひっくり返して「伝えてもらいたがっている人」をリアルに想像してみるのである。

ただ、単に相手の言いなりになればよいということではないでしょう。相手が欲しいものというのはただ単に相手が「欲しい」と口にしたことだけではありません。相手の無意識の部分にある「欲しいもの」というのもあるはずです。そこに対して、自分が提供できる(もしくは、提供したい)ソリューションを提供していく。


こうすることによって、Win-Win の関係に近づいていくのかもしれません。