いいものも使わなければ宝の持ち腐れ - 考具

考えるための道具、持ちたいです。


考具―考えるための道具、持っていますか?
加藤 昌治

考具 ―考えるための道具、持っていますか?

考具 ―考えるための道具、持っていますか?

自分自身をアイデア・企画を考え出せる人、と定義した瞬間からあなたが変わり始めます。
(p.233)

ということで、そうなるのにはどうすればいいかを教えてくれる本です。


まず、

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外何ものでもない」
(p.25)

と、「アイデアのつくり方」の定義を紹介した上で、その「既存の要素」を「組み合わせる」にはどうすればいいかについては、

イデアや企画につながる頭の使い方は、拡げて絞って、また拡げて絞る。
(p.36)

としている。


そこで、既存の要素をインプットしたり、それを組み合わせたり、そのために拡げて絞るためのツールが考具なのである。

紹介されている約20の考具のなかで、気になったものをいくつかピックアップ。

  • カラーバス

これはインプット用。
イデア溢れる人たちと、そうでない人たちで、

違いは意識しているかどうか、の1点
(p.14)

ということで、その意識をするための考具がこれ。意識するものを一つ決める。

注目する視点をいつもと違うジャンルで絞ると発見の幅が広がる
(p.50)

のです。

これもインプット用。その気になって演じてみる。

「考える」という概念の中に「実際に身体を動かしてみる」発想は含まれていないことが多いようです。
(p.70)

けれど、

やってみると分かること、が実はたくさんあるんですね。
(p.73)

  • オズボーンのチェックリスト

これは、どうやって組み合わせるか。
イデアに詰まったときにこれを使うとよさそう。

◆転用したら? 現在のままでの新しい使い道は?
◆応用したら? 似たものはないか?真似はできないか?
◆変更したら? 意味、色、動きや臭い、形を変えたらどうなる?
◆拡大したら? 大きくする、長くする、頻度を増やす、時間を延ばすとどうなる?
◆縮小したら? 小さくする、短くする、軽くする、圧縮する、短時間にするとどうなる?
◆代用したら? 代わりになる人や物は?材料、場所などを変えられないか?
◆置換したら? 入れ替えたら、順番を変えたらどうなる?
◆逆転したら? 逆さまにしたら?上下左右・役割を反対にしたら?
◆統合したら? 合体、混ぜる、合わせたらどうなる?
(p.148)


と、いろいろと考具があって参考になるなぁ、と思っていたら、この本で一番重要なことが終章に書いてあった。

あなたにとって最大の問題は、「読んで、分かって、やらないこと」。
(p.233)

あいたたた。まさに今の自分ですね。この考具はもちろんのこと、本で読んで分かった(つもりになっている)ことを、まずは少しでも始めてみる。これを心がけます。