自らのコモディティ化には敏感に - ウェブ時代をゆく
1番最初の書評はこれで。
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/11/06
- メディア: 新書
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この本は『ウェブ進化論』完結篇ということらしいけれど、『ウェブ進化論』が梅田望夫の外側で起こっていることについてだったのに対し、『ウェブ時代をゆく』は梅田望夫の内側で起こってきたことについてと言える。言い換えれば、ネット空間で何が起こっているかについての『ウェブ進化論』と、そのネット空間でどう生きていくかという『ウェブ時代をゆく』。
具体的な内容としては、インターネットの普及がもたらした学習の高速道路と大渋滞という問題意識に対する、直感を信じろ、自分を信じろ、好きを貫け、人を褒めろ、人の粗探ししてる暇があったら自分で何かやれ。というアドバイスをより具体的に書いてくれている。このブログのエントリだけではわかりにくかった「直感を信じる」「好きを貫く」についてどうすべきかが書かれている。
梅田望夫は楽観的過ぎるというのはよく言われていて、彼に対する批判の多くはそこだと思う。ただ、確かに彼の著書を読む限りでは楽観的な部分ばかりが見えていたけれど、楽観的なアウトプットをする一方で、Paranoid (病的までに心配性)なもう一人の彼が彼の中にいるってことがこの本を読むとわかる。そのバランスが大事なんだろうな、と。
一番印象に残ったのは、
自らのコモディティ化に対してだけは「Paranoid」(病的までの心配性)であるべき
(p.103)
という部分。というか、自分が一番気をつけなきゃいけないと思った。
「あなたにしか出来ないことって何?」
「さぁ。。。」
じゃ、確かに話にならない。
その予感があったら必ず新しい要素を自分の専門性やスキルに加えていくこと(そのときも高速道路を大いに利用しよう)。
(p.103)
自分は、この本でいうところの「高く険しい道」を極めるというよりも「けものみち」を歩くタイプだと思ってますが、さて、じゃあ実際にこれから何をするかな、といったところが今の率直な気持ち。
とりあえず、ちょっと時間を置いてからもう一度読んでみることにします。