「なんとなく」を可視化し、「変えられるもの」に集中する

23日に目黒雅叙園で行われた日経ビジネスアソシエ主催の「次世代ビジネスリーダーフォーラム」に参加してきました。


プログラム

  • リーダーシップ×モチベーションマネジメント

 株式会社リンクアンドモチベーション 代表取締役社長 小笹 芳央 氏

 アドビ システムズ株式会社 代表取締役社長 ギャレット・イルグ氏

  • 知的交配の技術・会議の効率アップのためのビジュアルコミュニケーション

 株式会社アクティブラーニング 代表取締役社長 羽根 拓也氏

  • 事例に学ぶAdobe Acrobat活用法:成功企業が実践する文書業務の効率化と迅速化

 アドビ システムズ株式会社 マーケティング本部 ナレッジワーカー部
  フィールドマーケティングマネージャー 小圷義之氏

  • 2008年勝ち波に乗るために 〜モチベーションアップの方法〜

 株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長 藤田 晋 氏


まず、リンクアンドモチベーションの小笹さんのセッション。
ここでの一番のメッセージは『「変えられるもの」にエネルギーを集中させる』ということ。いろんな本で言われていることだけど、なかなか難しい。社会において他人との関わりあいなく生きていくことはできない。そして、人のタイプはみんな同じではなくて、人それぞれ(小笹さんは4つに分類していた)。そんな中で、変えられない「他人、感情、生理、過去」ではなく、変えられる「自分、思考、行動、未来」にエネルギーを集中させよう、ということ。
変えられないようなネガティブな状況に直面したとき、「ちょうどよかった。これをきっかけに○○しよう!」と思えるクセをつけることが出来たらいいですね。


次に印象的だったのが、アクティブラーニングの羽根さんのセッション。
まず、学び方として重要なのは、成長の「なんとなく」を可視化できるかとその可視化した「なんとなく」を誰でも再現できることだとおっしゃってました。これは、先日の本田直之さんの講演会で本田さんのすごさをゲストの勝間和代さんがおっしゃっていたことに通じますね。

コントリビューションできるかどうか - レバレッジ人脈術 - 点と点をつなぐためのメモ - connecting the dots

講演会のサプライズゲストには、同じく売れっ子ビジネス書著者の勝間和代さん。本田さんのすごいところをものすごいスピードでしゃべっていった。印象的だったのは、下の2点。

  • 方法論に再現性が高いこと
  • 暗黙知」を適切な言葉で「共有知」にするネーミングセンス

次に、組織の進化には、「構築=Construction」と「変化=Change」が必要だというC2 理論を説明していたが、これに関しては羽根さんのコラムで日産のカルロス・ゴーンの手法を例に挙げて、以下のように述べている。

●第9回 組織成長の法則「C2」:アントレnet / 独立力養成講座

組織を固めることと、組織を崩すこと、一見、矛盾しているこの2つの要素であるが、ゴーン氏は、この2つの力を同時に導入することを意図的に行った。2つの相反する力は、組織の新陳代謝を早めることにつながる。反対の方向に引っ張り合うからこそ、その間にある組織に、「残すもの」と「捨てるもの」をはっきりとさせていくのだ。
「構築」と「変化」というC2を盛り込んでおけば、成長は知らず知らずのうちに導き出されるに違いない。

これは、組織だけではなくて、個人の成長にも同じことが言えそう。

そして、常識を打ち破る発想法として「常識リバース」を教えてくれました。これは、それまでの常識をひっくり返して発想するというものですが、そのコツも羽根さんのコラムにありました。

●第3回 ヒット商品を生み出す常識リバース:アントレnet / 独立力養成講座

「常識リバース」において重要なことは、まず、(1)「常識の言語化」である。どういった常識を一般人は持っているのか? 例えば料理の常識を言語化してみると「料理は時間と手間がかかるもの」という言語化ができる。この当たり前の常識を「あえて言語化」してみることが極めて重要だ。
 次は、(2)「リバースの言語化」。「料理は時間と手間がかかる」という「常識の言語化」を行った後は、これをひっくり返し、どの方向に進めていくのかを言語化する必要がある。「だったら時間と手間がかからない料理法を提供すればよい」。

ここでも重要なのが言語化言語化することで自分の考えを再確認できるし、それを周囲と共有できる。前者については、丸谷才一さんの「思考のレッスン」の以下の部分にもつながることでしょう。

名づけによって考えが整理されて、思考がさらに深まる
(p.215)

思考のレッスン (文春文庫)


最後のサイバーエージェントの藤田さんのセッションは社員のモチベーション維持について。配布されていたアジェンダには「モチベーションアップ」になっていましたが、藤田さんの用意していたスライドには「モチベーション維持」って。。。アップと維持の違いは色々考えられそうですが、とりあえずモチベーションを落とした状態は良くないというのは理解しているつもりです。
ここは、藤田さんのブログにもエントリがあったので、それを引用させていただきます。

次世代ビジネスリーダーフォーラム | 渋谷ではたらく社長のアメブロ

講演ではモチベーションを維持するポイントとして3点あげました。

1.ポジティブな環境に身をおく。
周囲で働く人がネガティブなことを言っていると影響を受け、モチベーションの維持は難しい。

2.目標を明確にもつ。
目標を持たずに組織に属しているのは、テニスやりたくないのにテニスサークルいるようなもの。やがて飽きる。

3.平常心を保つ。
普通の人は常時高いモチベーションを維持するのは不可能。平時はモチベーションを極端に上げたり下げたりせず、チャンスを待つ。

自分がどうかを考えてみると、目標を明確に持つというのが一番苦手。どうしても「なんとなく」やってしまうんだよなぁ。これもやっぱり「言語化」ですね。


色々と勉強になったセミナーでしたが、ブログ上で言語化するとさらに理解が深まった気がします。